長崎の風景を絵はがき感覚でパッケージにした

「長崎景観クルス」好評です。
“長崎景観クルス
長崎くんち

麹屋町川船

クルス4枚入¥324 (税込)

148×100×20mm ちょうどハガキサイズです。

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平成26年奉納

ハイライトは連続5回転の船回し“梅の風車”

麹屋町 川船こうじやまち かわふね

眼鏡橋から中島川を少し上ったところに麹屋町はあります。風頭山を源とする井戸や池が多くて水が豊富だったこともあり、江戸時代のはじめから麹造りがさかんだったそうです。今も一軒だけ麹屋さんが残っているんですよ。「中島川に隣接する町」であること、そして「豊かな水に恵まれた町」であったことにちなんで、麹屋町ではそれまでの本踊り奉納にかえて、昭和39年から「川船」を奉納しています。2014年6月取材)

傘鉾に飾られる町のシンボル梅の花(蝋細工)
傘鉾に飾られる町のシンボル梅の花(蝋細工)

屈強な根曳たちの
腕の見せ所“梅の風車”

「「川船」は子ども船頭が網を打ち、獲った魚を諏訪神社に献上するために船を急がせるという筋立てです。麹屋町の山車は「川船」の中でも一番大きくて重く、しかも4つの車輪は固定で左右に曲がらないため、回転の時は相当な力と技を要するとか。それを根曳(山車を操る人)たちが息を合わせて一気に回す豪快な演技が大きな見どころで、圧巻は“梅の風車”と名付けられた連続5回転の船回し。梅の花は麹の製造過程できる麹花に似ていることから町のシンボルとなっていて、その5弁の花にちなんでこの技は生まれたそうです。

麹屋町くんち奉賛会副会長の西本和夫さん
麹屋町くんち奉賛会副会長の西本和夫さん

くんちに一番大切なもの、それは健康管理?

根曳たちは最初から補欠なしの定員きっちりで選抜され、1年もの間、ランニングやボクササイズなどのハードな訓練を積み重ねた上で演技に臨むそうです。え~っ、それじゃあくんちが終わるまでおちおち病気もできない? 「そうですよ。途中でケガや病気で離脱となると、その穴は簡単には埋められない。だから一番大切なのは健康管理なんです」と麹屋町くんち奉賛会副会長の西本和夫さん。肉体的にも精神的にもかなりハードな1年を乗り越えてはじめて、根曳たちのあの息の合った、ため息が出るくらい感動的な演技があるんですね。


水しぶきを上げて跳ね回る鯉たちにご注目!

そしてさらなる見どころが、こちら。山車から吹き上がる水しぶきです。船の上にのった漆塗りの真鯉と緋鯉たちがまるで勢いよく跳ねているかのよう。諏訪神社奉納の朝、その水しぶきに朝の光が差して虹がかかる感動的な光景も。観客の歓声が上がる中、根曳だった西本さんもまた船を回しながら、その美しさに見とれた思い出があるそうです。さらに小学校高学年の網打船頭より前に、船に乗って登場するかわいい飾船頭の衣装にもご注目! かなり手の込んだ豪華なもので、一見の価値ありですよ。


六月一日早朝、
町にシャギリの音が聞こえてくると…

6月1日の早朝、各踊町の町角から「起こし太鼓」と呼ばれる笛太鼓のシャギリの音が聞こえてくると、「ああ、今年もくんちが始まるなあ」と長崎人の血が騒ぎ出します。午前中は「小屋入り」(稽古始め)といって、諏訪神社・八坂神社での清祓い。午後からは「打ち込み」と呼ばれる各関係者へのあいさつ回りが行われます。その年の踊町それぞれに世話役と出演者が一団となって、まちなかを約5時間かけて10㎞ほどの道のりを歩くとか。この日から西本さんの耳の中ではずっとシャギリの音が鳴り続け、なんだそうですよ。

※写真提供 麹屋町様  (平成19年の写真他)

参考資料 土肥原弘久『見えないものを伝える 諏訪神事長崎くんち取材記録』ゆるり書房 平成26年

 

平成26年 踊町と演し物

■興善町/本踊

■八幡町/弓矢八幡祝い船・剣舞 

■西町/龍船 

■万才町/本踊 

■銀屋町/鯱太鼓 

■五嶋町/龍踊 

■麹屋町/川船