長崎の風景を絵はがき感覚でパッケージにした

「長崎景観クルス」好評です。
“長崎景観クルス
長崎くんち

西古川町櫓太鼓

クルス4枚入¥324 (税込)

148×100×20mm ちょうどハガキサイズです。

販売開始しました。※ネットショップでの販売は少々お待ちください。

 

 

平成27年奉納

長崎の相撲興行を一手に取り仕切っていた町

西古川町 櫓太鼓 やぐらだいこ



旧西古川町は相撲にゆかりのある町です。江戸勧進相撲の創始者で日本初の横綱・明石志賀之助が居を構えていたとも言われ、またその弟子で西古川町出身の実力者浮舟百度兵衛が長崎奉行より免許をいただいたことから長崎の相撲興業を一手に西古川町が取り仕切ることになります。そのために長崎くんちには当初から相撲にちなんだ演し物(だしもの)を奉納。1821年に初めて「櫓太鼓」を奉納しています。2015年7月取材)

西古川町自治会長 村上泰三さん
西古川町自治会長 村上泰三さん

九州唯一の相撲興行は、長崎の繁栄のあかし

 

江戸時代の相撲興業は「三都五場所」といって「江戸・京都・大坂」に「仙台・名古屋・和歌山・岡山・長崎」を加えた8都市限定で本場所が行なわれていたそうです。「その頃はまだ博多場所はなかったんですよ」と西古川町自治会長・村上泰三さんが言うように、九州では長崎場所のみ。わが国唯一の海外貿易港だった長崎の繁栄ぶりがしのばれます。その繁栄と共に長崎くんちもまた贅を尽くした華やかな祭りに育っていったのです。

西古川町

写真は前回の2008年のものです。

江戸時代から続く「櫓太鼓」を奉納

今では相撲との縁も薄くなった西古川町ですが、町の伝統を次世代に繋いでいきたいという心意気で今回平成27年も江戸時代から続く「櫓太鼓」を奉納します。行司の口上に始まり、呼び出しによる相撲甚句の披露、櫓太鼓の演奏、そして地元アマチュア力士の土俵入り弓取り式。最後に華やかな本踊「三番叟」が舞われるという盛り沢山な内容で「欲張り過ぎて時間が足りない」と苦笑する村上さん。ちなみに今回力士が付けるのは五島出身の横綱・佐田の山(出羽海元理事長)の化粧まわしです。

難しさはあるが、それでも

復活させたい、継承したい

1821年以来の伝統の演し物「櫓太鼓」は、実は町の経済事情などから昭和33年に一旦途絶えています。平成6年に復活し、1回の辞退をはさんで平成20年、そして今回平成27年の奉納と続くのですが、20年の奉納時にはすでに太鼓の伝承者はなく、昭和33年の録音を頼りに大人たちがそれぞれの解釈で稽古を重ね、それを口移しで子どもたちに伝えていくというかたちをとったそうです。7年に1度しか奉納のチャンスが巡ってこない長崎くんちの各踊町。伝統を受け継いで行くことの難しさを思います。

4歳から7年越しの夢の舞台

西古川町では演し物「櫓太鼓」に加えて、烏帽子をかぶり、扇と鈴を持って、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を寿(ことほ)ぐめでたい舞、本踊「三番叟」も奉納します。今回「三番叟」を踊る小学5年の女の子は、7年前に目の当たりにしたその華やかな踊りに魅了されてこの日のために4歳から稽古を積んできたといいます。「そりゃあお諏訪さんでみんなに拍手喝采されるんですから、誰もが自分もやってみたいと思うようになりますよ。晴れ舞台ですもん」と村上さん。子どもも大人も待ちわびた7年越しの夢の舞台はもう目の前です。


8月6日の諏訪神社でのお稽古風景。6月の小屋入りから10月7・8・9日の本番まで、お稽古が続く。目の前で愛らしい子供達の日本舞踊が楽しめ、癒されます。見学させていただく時は、くれぐれもお稽古の邪魔にならないようにしましょう。


平成27年 踊町と演し物

■諏訪町/傘鉾 龍踊

■西古川町/傘鉾 櫓太鼓・本踊

■新大工町/傘鉾 詩舞・曳檀尻 

■賑町/傘鉾 大漁万祝恵美須船

■榎津町/傘鉾 川船

■新橋町/傘鉾 本踊・阿蘭陀万歳

■金屋町/傘鉾 本踊

27年度インタビュー