長崎の風景を絵はがき感覚でパッケージにした

「長崎景観クルス」好評です。
“長崎景観クルス
長崎くんち

栄町『阿蘭陀万歳

クルス4枚入¥324 (税込)

148×100×20mm ちょうどハガキサイズです。

 

 

令和5 年取材

花街の心意気をお見せします!

栄町 阿蘭陀万歳 さかえまち おらんだまんざ

昭和38年、長崎市全域の町界町名変更によって新たに誕生した町で、町名には末永い繁栄を、という願いが込められています。市内の中心部にありオフィス、銀行、マンションなどが建ち並ぶエリアで、近くには眼鏡橋もあって観光客の姿も見受けられます。昭和52年に『阿蘭陀万歳』を初奉納(2023年8月取材)

「日本に漂流した2人のオランダ人が万才を覚え、正月の祝儀に回っているうちにふと故国を思い出して感傷にふける」というストーリー。


 

東京生まれ、

長崎育ちの踊りです

シルクハットをかぶり南蛮服で唐扇子を手にした万蔵と、鼓をもったピエロ風の才蔵がコミカルな掛け合いで観客を魅了する『阿蘭陀万歳』。エキゾチックな長崎らしい演し物として人気の高いこの踊りですが、もともとは花柳流が創作した前衛舞踊で、昭和8年に東京で上演されたのが始まりです。それが長崎の検番に伝わり、これまで見たこともないユニークな踊りとして地元でも評判に。イベントなどでも引っ張りだこの大人気となっていきました。

 

『阿蘭陀万歳』の奉納は

7年に2回だけ

『阿蘭陀万歳』は「日本に漂流した2人のオランダ人が万才を覚え、正月の祝儀に回っているうちにふと故国を思い出して感傷にふける」というストーリーです。戦前にはすでに地元でもおなじみの演目でしたが、くんちに登場したのは戦後になってから。昭和26年のことでした。以後いくつかの踊町が奉納してきましたが、今は栄町と新橋町の2町がこれを伝統の演し物としています。つまり、観覧できるチャンスは7年に2回だけ!

平成25年の奉納では男性が演じる万歳・才蔵が話題を呼びました。

オランダ人の万歳・才蔵に着物姿の町娘と唐子姿の子どもたち。 まさに「和・華・蘭」一体で長崎らしい演出となっています。


 男女2組の万歳・才蔵が

からむ新趣向

栄町の『阿蘭陀万歳』は昭和52年の初奉納以来、今回で7回目。演じるのは花柳流の名取りたちです。前回平成25年の奉納では、それまでずっと女性が演じていた主役の万歳・才蔵に初めて男性の踊り手を起用して話題を呼びましたが、今回は男女各2組の万歳・才蔵を登場させるという新趣向。これに着物姿の町娘とかわいい唐子姿の子どもたちが加わってまさに「和・華・蘭」一体の奉納で踊り馬場をにぎわせます。

 

くんちは子どもたちにとって

最高の環境

町ぐるみの奉納を目指し、町内の子どもたちが踊りに参加するようになったのは平成18年から。栄町自治会長の尾上重道さんは「子どもたちにとってこんなにすばらしい環境はほかにはない」と語ります。「大勢のお客さんに見られる喜び、達成感はそうそう誰もが得られる体験ではありません。自分を知ってくれている町内の大人たちがいることも嬉しいことで、あいさつをすることもここで覚えるんです」と。

 

 

 

 

奉納を終えた踊町はそれぞれまちなかに繰り出し、長崎のまち全体がくんち一色に。

 

 

栄町自治会長の尾上重道さん。自治会役員としてくんちに関わるようになって初めて伝統芸能の大切さを実感。「これからも大事に守っていきたいですね」。