長崎の風景を絵はがき感覚でパッケージにした

「長崎景観クルス」好評です。
“長崎景観クルス
長崎くんち

築町御座船

クルス4枚入¥324 (税込)

148×100×20mm ちょうどハガキサイズです。

 

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平成29年奉納

潮流鳴りとどろく3回転の大技、その名も「大鳴門」!

築町 御座船 つきまち ござぶね

老舗のからすみ店や海産物店、かまぼこ、鯨肉ほか魚、野菜などの生鮮食料品の店が軒を連ねる築町商店街。長崎の繁華街と隣り合わせで、昔から“長崎市民の台所”として親しまれてきました。町の人たちもまた“生きのよさ”が売りで、くんち奉納では「生き(粋)な根曳きの生き(粋)な船回し」を披露してくれます。 (平成29年8月取材)

これは長崎警護の

肥後・細川藩の軍船

御座船とは高貴な人物が乗る船のことですが、築町の「御座船」に乗っているのはちびっ子扮する肥後・細川藩のご家老様。江戸時代に中島川の河口に位置した築町には、長崎警護のための各藩の番船が集まっていたそうで、「歴史的なことはようわからんけど、うちの船は長崎を護衛していた細川藩の軍船。本漆塗り、本金張りで、屋根には三社紋が入っとる」と、自治会長の小野原卓嗣さんはちょっと自慢気です。

築町自治会長小野原卓嗣さん。老舗からすみ店当主

築町自治会長小野原卓嗣さん。

老舗からすみ店当主

長采(総監督)の髙野正安さん。

老舗からすみ店当主


踊町のシンボル「傘鉾」の飾りは築(つき)町にちなんで月(つき)をテーマに毎回衣替え


根曳きたちは町内の整骨院の先生が考案したケガをしないトレーニングメニューで体力をつけて本番に臨みます


初奉納は昭和7年。

85年の歴史あり

 

築町「御座船」の奉納の歴史は85年。長年にわたる激しい船回しで傷んでしまった後輪だけは、平成元年に新調したものの、船本体は昭和7年の初奉納の時のものを、今日まで大切に受け継いできました。その後他の踊り町の趣向を凝らした曳き物の船が次々に新規参入してくるなか、「うちん船のほうがずっと古か」と胸を張ります。わが「御座船」の長い伝統もまた、築町の人たちの誇りです。

 

なんてったって

「根曳き」が一番

 

「御座船」の一番の見どころは渦潮に見立てた「鳴門」という大技です。踊り場後方から船をダイナミックに1回転、2回転、3回転させながら桟敷席ぎりぎりまでせり上げて舳先を正面にしてピタリと止める。船を操る「根曳き」たちに、満場の観客は拍手大喝采。今回の奉納で長采(総監督)という大役を務める髙野正安さんですが「でも、やっぱり根曳きがよか」と。紋付組と呼ばれる長老たちも「できるなら、あの日に帰りたい」と。それだけ根曳きの感動は男たちの体に深く深く染みついて離れないのです。

 

くんちが終わって日が暮れて…

 

くんちの3日間(10月7、8、9日)で、演し物の参加者みなが感極まる場面があります。3日間のすべてのスケジュールを終えて心身共にへとへとになって町内に帰って来た時のこと。日もとっぷりと暮れ、「御座船」の提灯が夜の闇に浮かび、町内の人々のお疲れ様のあたたかい拍手に迎えられた時、「何とも言えん気持ちになって思わず涙が―」と。観客たちが知らない、踊町だけのくんちのクライマックスです。

「うちの船回しが一番ダイナミック!」という築町くんち奉賛会のみなさん
「うちの船回しが一番ダイナミック!」という築町くんち奉賛会のみなさん

上/築町のシンボルとなっている老舗からすみ店の建物。

文化庁登録有形文化財

 

右/浜町のアーケードを抜けると築町商店街の入り口が

 



2017年長崎くんちより